【断章のグリム】全ては始まりに始まり、還り、未だ終わらず

断章のグリムXVII 白雪姫・下 (電撃文庫)感想です。
1回読み終えました。
さすがです甲田先生！としか言いようがないな。
以下、感想です。
ネタバレ以前に、人によっては本の内容が内容の感想なので、
つまり感想もアレかもしれないのでごめんね。と一応。

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「そうよ、あなたも私も、生まれるべきではなかったの」
やはり強烈だったのはこれでしょう。
・・・本編関係ないことないですよ？
普通は、そう、普通は。
決してそんなことは言わない。言ってはいけない。
だれかれ構わず人間としての、それ以前に生命としての尊厳を大事にしなければいけない。
それが普通だから。
生きていていい。とういうのが善意。
上記を言うことは悪意。
普通は。
それでも、その普通が辛かった白の女王にとっては、何よりの救いの言葉だった。
同じ痛みを知る黒の女王だからこそ、知りえた真理。
だから普通を愛した王子には救えない事実。


黒の女王
救いの真理を解いた者。
金の卵を産む雌鳥の巻で、気になったてはいたんです。
風乃さんの性格の変化に付いて。
艶然で嫣然な微笑みと、強烈な無表情の差異。
それは、あるいは、今雪乃ちゃんに憑いている風乃さんは、
泡禍の影響で生み出された本物ではないもの？なので、それゆえの変化なのかなと。
違ったんですね。
よくよく考えれば、雪乃ちゃんの悪夢なので、風乃さんが変化するっていうのは可笑しいことなんですね。演じていたのでしょうか。妹のために。
”全ては雪乃を破滅させる言動”
そういえば、風乃さんもまた、痛みを与えることで己も苦しんでいた。そういう人でした。
救いの言葉を言ったのは、雪乃ちゃんの夢の中のようでした。
現実にもれ出た泡禍の中での会話ではないので、より強いのかより弱いのか。
無意識ゆえに、雪乃ちゃんの中でのイメージ、本来の風乃さんのイメージが出たのかもしれないなと。
あるいは、雪乃ちゃんが憎むべきは本来の姉”ではない”泡禍としての風乃さんの亡霊なので、性格も無意識的に変質させていたのかもしれませんね。


白の女王
救われたもの
王子に救われなかったもの。
今回、結末の中で唯一気になった点が、
「蒼い鳥は籠には帰ってこない」
ことでしょうね。
これからも悪夢とともにあり、ともに戦っていくという、ある種のこれからも頑張るという、希望的なスタイルをとりましたが、
直接、彼と彼女の決着がなくなってしまったと。
戦いではなくてもいいから、たとえば風乃さんと雪乃ちゃんのような、対話ができる関係ぐらいにはなってほしかったなあと思うのですが、どうでしょうか。
もし、本当に、葉耶ちゃんに、風乃さんの救いの言葉が届いていたのだとしたら、白野君への態度も、少しは変わったかな。なんて。
また、白野君のほうも、これまでと今後の決意を見るに、変化は合ったんではないでしょうか。と。


八百比丘尼に魔法は使えない
隣のお兄さんがラスボスだった？という、ある意味らしい結末。
？をつけたのは、実際にはどうだったのかなと。
被害状況という点ではそうなのですが、真相としては道化という位置づけに落とし込まれる可能性もあるわけで。
個人的には、神狩屋さんが、最後に何を考えていたのか、本当の形は何を思っていたのか、
そこは読者の想像にお任せしてくれたのかもしれないですが、書いて欲しかったなあ。
志弦さんのことを思っていたようですが、普通の、幸せな生活とかかなあ。
悪の権化でも、思ってたっていいじゃない？


目覚めて悪夢の中へ
上でも書きましたが、白野君の悪夢については解決せず、今後もそれを背負っていくという
傍目に観ればよくある、これからも戦い続けていくぜ！なポジティブエンドになりました。
が、その実、
普通には二度と戻れない、戻らない
普通でないことが悪夢の中という、異常の中でも悪質
という、実にバッドエンドに持っていきました。
それでも、
雪の女王とともにあるために
白の女王とちゃんと向き合うために
といえば、まだ救いがあるかどうなのか。


今巻で思ったのはこれぐらいかなー。
”白雪姫”の具体的内容、他の皆さんの生死、被害状況については触れないことにします。

以下は、もうちょっと考えたこと


軍勢より針の道
前巻にて、入谷さんに惚れこんだ私ですが、最後まで思ってみると、やっぱり勇路君が1番だったかなあと思います。入谷さんも嫌いではないのです。まだ好きです。もっと話があればまた違ったのかもしれませんが。
・・・とはいえショタコンじゃないよ。
勇路君は兄貴であり英雄であり、また、そうあらんとして騎士になった子なので。
ある意味、一番正義が、あるいは理想と信念があったのは彼じゃないかなあと。
「守りたいものを救えない自分が許せない」
格好いいっすよね。
幼かったとは言え、周囲に現を抜かして、理解せずに逆にこちらを理解しろといわんばかりだった白野君は、ちょっと見習うべき。とか思ったり思わなかったり。
まあ、立場は全然違うんですけどね。
とはいえ、それでも、葉耶ちゃんは僕が守る！とかいってくれれば。
（そういえば、白野君って基本守られ役だなｗｗ）


黒い、あるいは火の女王
キャラとして1番はやはり風乃姉さんですかね。
最初に書いた真理。好きですよ。
・・･脳内でミュウツーと遊星君が泣きそうなんですが、背景が違うし君らはそんなことないからまてよ。
さて。
散々考えた挙句、しかも幼い子に、
そらそうだよというのことが残酷に見えるのもわかります。
シネって言ってるようなもんですから。つか言ってるし。
つか、普通はそうですからね（苦笑）
それでも、辛いからこそ残酷だからこそ、正しくも・・・ということもあるわけで。
命としては確かに失うべきモノではないのかもしれないですが、
溝口葉耶というもの
あるいは、
時槻風乃というもの
は本当にそうなんでしょうか。
同時に、彼女らが望んでいたもの。彼女たち自身がそう思ってしまったのなら。
「君の本当のカタチ」


そう言って楽になりたいだけで、それはそいつらの弱さだ
脳内にて←←
勇路君が好きな理由もとい、海馬の兄様の言葉←
いうだろうね。と。
また、消えるしかないのなら、勝手に消えれば良いと。
葉耶ちゃんが怒りそうだ。
風乃さんはどう思うかな。
周りに変えられて生かされてるに過ぎない、望んだことではないにしても、
消える自由ぐらいはあるはずだと。
自分が消えることで周りが傷つくのが嫌ならば、我慢するしかないと。
あるいは、
世界を変えるべき
と。
境遇も性格も思想も世界すらも違うんだけどね。
なんか感動しているおいらの上から目線がね。

とはいえ、英雄もしくは大悪党の理由として
”世界が間違っているから”
てあるよなとは思う。
自分が間違っている、自分が異質である。
ある意味、世界に優しいよね。

そんな優しさも含めて風乃姉さんはすきなのかも。
自分が消えてしまうからかもしれないけど、雪乃ちゃんが消えそうになっちゃった時に叱咤したのは普段からすればらしく無いしね。
雪乃ちゃんの心配とかさ。

とりあえずこんな感じでなんか妄想入り乱れて支離滅裂。
・・いつものこと。


余談ですが、メグセロって今月巻が最終ってマジですか！？
前巻なんもよこくなかったよ。
確かにアリソンもリリトレも6冊完結で、メグセロは7巻目なのでそれなりといえばそれなりだけど。
＠電撃の缶詰より


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